869fb666.jpgお目当てのこれも無事ゲットできたし良かったです。ミイラと古代エジプト展。
話題はなんといっても紀元前約800年前の神官ミイラ。

最新のCTスキャンにより布を解かずして本体を確認できたのですが、不思議なことに頭の上に皿がはっついたままという。これは体中に塗った樹脂の受け皿として、寝かせた頭部の下に置いたものがそのまま固まってしまったっつー説が有力とか。
実際はどうあれ、これは誠に体裁が悪く、当時の職人として恥ずかしい失敗。剥がすに剥がせないので、「仕方あるめえ」とそのまま布を巻いたのでしょう。「バレるわけねえよ」と思ったのかな。
しかし、そのミスは2800年後にバレてしまった。それもフィギュアにまでなっちまったよ。
豪華な副葬品や石像とは別の意味で興味深い発見。 ていうか、こういう方が個人的には好きですね。

実はエジプトのミイラ文化については、個人的に紀元前1200年ぐらいの新王国時代(ツタンカーメンやラムセス2世の頃)のが好きでして。ミイラづくりの職人技がピークを極めたとも言われたのがこの時代。とくに棺の様式は400年も経つと異文化の影響受けて、プリミティブかつネイティブな魅力はあまりないです。
ただ、上記ような逸話が出るあたり、違った角度で面白い。当時は、様式化が進む一方、作業的にはルーティン化しており、ミイラ職人にもいろんなレベルがいたと聞きます。
そこは現代の宗教や医療、建築などにも通ずる問題。何やらユルくなって、盗掘屋と結託した輩もいただろうし。「皿ひっつき事件」然り、人間の業というかだらしなさをかいま見た気がします。
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