BLOG EDASHIN

画像や日常についてなど

2007年08月

aad0187f.jpg枝新でもたびたび話題にしてきたトレイシー・ソーンの『遠い渚』は人生ベスト盤の一枚ですが、その彼女が25年ぶりの出したソロ作が『OUT OF WOODS』。
今春に初めて情報知ったときは思いました。「見せるか原点回帰」かと。そんなことあるワケがありません。
発売直後に店で数曲視聴、予想どおりとはいえ、めまぐるしいクラブサウンドにその場で膝を落としてがっくし(嘘)。過去に何度かネットのオフ会でクラブイベントに紛れ込んだ経験がありますが、あの居心地の悪さを彷彿とさせます(ああいう反復ビートは潜在的に嫌いではありませんが)。
もちろん エブリシング・バット・ザ・ガールでの変遷を知ってるから意外感ありませんで、むしろこの路線はまっとう前向きでかつ大正解。それを承知も承知で買ったのは、1作目の思い入れからだけです。
トレイシー自身は育児も落ち着き、とてもポジティブな精神状態らしいなのに、僕ときたらなんとネガティブな購入者か。
1stとの強烈なギャップ、彼女の迷いのない佇まいが、僕を完膚無きまでに突き放します。そこになぜか感じる恍惚的なすがすがしさ。そしていっそう際立つ『遠い渚』の透徹とした魅力。
画像はアマゾンから入手したものでして、2作を並べて撮影したかったのだけど、渚がまた部屋のどこかに消えた(涙)。
▲BLOG枝新▲

a67e7355.jpgカウリスマキ監督『街のあかり』。敗者3部作完結編。
テーマは孤独。孤独って文字通り何とも縁のない孤独と、心理的な思い込みの孤独と2種あると思うのですが、主人公は厳密には後者にあたりましょう。気の持ち様によるのは絶対的な孤独ではなく、どこか救いがある。そんな彼がどうなっていくかは観た方ならお分かりになるはず。一般的にポジティブな作品とされてるけど、別の含みも感じられて切ない気分にさせられました。「違う。そうとばかりも言えんだろう」と。それが何かはここで記しませんが、観る者そのときの心の許容量で違ってくるのかな。それは世知辛くなった社会とも関係している。
シンプルながら表裏一体のイマジネーションに満ちた良作でした。個性的な面構えの俳優陣にもニヤニヤしまくり。犬もかわいかったし。こういった毎度のお約束もカウリスマキ作の楽しみです。新章に向かう今後にも期待。
http://www.machino-akari.com/
▲BLOG枝新▲

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