rolling-n映画の感想で更新するのは久しぶりかもしれない。非常に気に入った作品なので記しておきます。
すでに独自の評価を得ている監督だけど、僕は今作が初めて。おなじみのファンには「何をいまさら」と思われるだろうか(苦笑)。俳優陣の個性的演技、映像感、作品のユーモア等々、あらゆる点で自分の好みに近い映画で嬉しかったです。
いくつかの紹介記事にもあるとおり、確かに70〜80年代日本映画(日活ピンク系やATG)の独特ないびつ感+猥雑感を、いいさじ加減で現代的に継承しています(渡邊琢磨の洗練された音楽も貢献度大。サントラ盤も傑作)。盗撮事件をおこした元教師・権藤のダメっぷりをメインに、登場人物はしょうもないヤツラばかり。全体のノリは軽妙かつ滑稽で、そのへんが大きく話題になっているのだけど、ある人物の痛みを描いた場面があり、何だか泣けてしまった。そこが権藤先生のおかしみとある種のコントラストを生み出し、不思議な余韻のひとつとしても感じられましたね...。ともかく観る人それぞれのイマジネーションが広がる素晴らしい作品。傑作です。

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