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カテゴリ: 書籍+コミック

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『北斎と応為』の著者キャサリン・ゴヴィエ氏と浅田次郎の対談を観にカナダ大使館へ行ってきました(画像下、リンクは下記)。こういうイベント自体、行く機会は滅多にないので非常に有意義でしたね。
応為については昨年も話題にしましたが、日本でも言及が難しい謎の女絵師を主人公にする外国人作家ってどんな方だろうと興味津々でした。貿易商だった祖父が日本から浮世絵をよく入手していたそうで、子供時代から日本文化に馴染みがあったそうです。


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いわゆるゴーストでもあり共同作業者でもある応為は、当時どういうスタンスでいたのか。世界的にもイマジネーションをかき立てられる存在のようです。
「彼女に対する視線がやはり日本人とは異なっていて新鮮」と浅田氏。対談中フェミニズムに話が及ぶとゴヴィエ氏は「そうとも言えますが、私は一人の人間として」を強調していました。ともかく彼女の主体性がどう描写されてるか読むのが楽しみです。この日早速Amazonから上下セットで到着しました。感想はいずれまた。

ボストン北斎展の『三曲合奏図』展示や『百日紅』のアニメ化など、今年に入って彼女に関する情報をちらほらと入手しており、今後ちょっとした応為ブームが始まるかも知れませんね。
この本もベテランの愛好家・専門家には注目作なのではないかと。


→「『北斎と応為』:著者キャサリン・ゴヴィエと浅田次郎の対談」

行ってきました。高校時代に衝撃を受けたマンガの生原画を30年後に鑑賞。いつかこういう機会が来ると思ってました。だけど、開催の大きなきっかけが東日本大震災とは…。宮城県出身である大友克洋氏なりの復興プロジェクトで、入場料の3分の1が支援金になるそうです。

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個人的に思い入れが強いのは『童夢』以前でして、その時代の生原稿の鑑賞に時間をかけてしまい、後の『AKIRA』 全生原画では半ば意識もうろう?の状態でしたw。とにかく密度が濃すぎで圧倒的。もう一度観にくるかも。。。

↓記念写真ブースw。『童夢』のあのシーンと実物大・金田バイク。

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→ 大友克洋GENGA展 公式サイト

DSC_0004あれから1年を経て、いましろたかし『原発幻魔大戦』。非常に面白かった。これまでのいわゆる脱力ダメ人間的な展開とはずいぶん違う。氏のように切迫した日々を過ごした方は多いと思うが、僕はといえば、翌日も会社に行ったし、日常の仕事生活に埋没していたかもしれない。
まあもちろん、メディアを通じて自分なりに事態を深刻に受け止めた。その一方で、進展がなぜ滞っているのかにイラだち、今の政治体制/巨大企業構造の宿命的な限界を感じていた。TPP然り要するに問題はアメリカ支配の社会、元凶はそれこそ戦後GHQのあった時代から地続きであろうし、ある意味世代交代を待つしかない状況だが、それでは遅すぎるのは明らかだ。
いつぞやある飲み屋での打ち上げで20代男性、30代男性の二名と同席した時のこと。20代から「最近のマンガどうよ」な流れになりまして。各自趣味がバラバラな様子で最初は今イチな空気だったのに、いましろたかしがフト話題になるや、3名「あれはいいね」的にうなづきあって場が和んだというw。酔った勢いで、「オレ、盆堀さんみたいになりたい」とか言ってしまったのを後悔してるけど、ハタからみると自分ってあのキャラと大差ないだろうなぁ。。。

◆本館・枝枝新報(Renewal予定)◆

先週からまた忙しいのですが、最近世間もやけにめまぐるしい。
『リストラなう』の書籍化騒ぎにも関心ありです。
ご存知ない方にかいつまんで説明すると、
リストラ(希望退職による)された某出版社員(40代独身男性)が退職するまでのブログ日記で、切実な日常が綴られ応援メッセージを増やしていたのですが、最後の最後に書籍化決定!の発表がされるや、猛烈な批判を浴びて大荒れ状態という。

批判するコメント者の心情はさておき感じるのは、ブログの内容自体から「ああなる」までがストーリー的現象として興味深いということ。しかしそれは当然オンタイムで読むことにおいてだから、書籍化すると存在感はまったく異なる。だけど、書籍になることの不毛さ?までもストーリーとして意味化され、これってどうよと問いかけるドキュンタリーにできなくもない(笑)。
僕はネットで話題になりはじめの時に知った後追い組。退職金2000万とかいろいろ恵まれた状況にいる方なのであまりシンパシー抱けませんでね。最近読んでなかったのですが、こんなことになってしまい、、、うん、要はなんだろ、作者のある種の無邪気さに苦笑です。
▲本館・枝枝新報▲

14c53825.jpg『COMICリュウ』なる雑誌の11月号。やあエディさん、こういうのもあり?と反応する方もおりましょうか。お目当ては高野文子女史の一点。掲載されてるのは写真付きの対談記事(カラー)と旧作「ふとん」の再録です。付録のてぬぐいはご愛嬌。読んでみると新作描く気はもうほとんどない様子(涙)。その変りでもないでしょうが、こんなコユルくご登場されて、ひと昔では考えられなかったです。ファンなら「それもまた良し」と自分を納得させ。
ひさびさのコミック専門フロアでして、たまには他にもなんか買おうとウロつきましたが、モノ多過ぎてクラクラしますね(最近はCD屋でもこの傾向)。で、結局、手にしたのは楳図かずおの新装『おろち』1巻。
▲本館・枝枝新報▲

5404a598.jpgドキュメント死刑囚/篠田博之(ちくま新書)
死刑について僕自身の考えは、かなり感情的な見地によります。その一方で、ああいう犯罪に対しては制度も虚無化しているし…と、本書を読んで改めて実感。
ご存知、宮崎勤・小林薫・宅間守に関するノンフィクション3本立て。タイトル通り獄中〜死刑判決後に焦点をあてており、さすが、偏ったマスコミ記事やTV番組では知り得なかった事実を知ることができます。
著者は三者からかなりの信頼を得ており、数多くの手紙のやりとりが本書のベースになっています。もちろんTVドラマのようなわかりやすい心の交流ではありませんで、ただし、彼らの人間性を理解する上ではすこぶる興味深いものばかり。社会的には完全に規格外の感性でありかつ、善悪二元論で定義しきれない闇に迫っています。
3人に共通するのは家族/両親との関係。とくに宮崎と小林は明確なトラウマを持っており、悪魔に魂売り渡したきっかけではないかと思いたくなる重要なエピソードが綴られています。子供時代の団らんを思いだして購入したちゃんぶ台の上で犯行に及んだ時の宮崎勤…。急死した母親について絶望的な思いを綴った小林薫の小学校卒業作文…。己れの淡々とした日常までも歪んでしまいそうな記述がこれでもかと続きます。こういった犯罪の根本原因って、結局は家庭問題にゆきつくのだろうか、などと結論づけるつもりはありませんが、本書を読みおわって気になったのは、三者の親がどういう人生を歩んできたかということです。もちろん、ほとんど言及されていません。彼らがそれぞれの状況で親を憎み、それが犯行の一因になっていたとしたら、加えて語られるべきはさらに奥。そういう意味で、昨今の家庭崩壊の事件は暗澹たる思いがします。この20年で社会はますます複雑化し、同類の犯罪がおきるシステムは誰からみても更新中であると。
この手のノンフィクションはたいてい大著が多いなか、非常に簡潔にまとまった新書版。読みやすいけど内容の重さは尋常ではありません。
最近は趣味性重視のまったり読める本が多かったもんで、ひさびさに胸に迫ってしまいました。
▲本館・枝枝新報▲

81b17b85.JPGどうしたのよ? と思われますか今回。
左の画像とは直接関連ないですが、田母神元航空幕僚長には驚きました。国際的にも今後の政局にもかなり危険な存在。しかし、思想的にはともかく、この人物に興味を抱いた方は多いでしょう。半ばキワモノ的な存在? 僕もその論文とやら読んでみたいですね。
ところで最近、竹書房の実録ピカレスク・コミックが話題らしい。そんな噂をこの日ネットで知りまして、先日たまたま『児玉誉士夫』の巻を買ったばかり(個人的に彼といえばやはりロッキード事件か)。体張ってある種のイデオロギーに身を捧げた人間に関心高まる時代なのでしょうか。戦後の混乱を舞台にしたこの世代の生き様は、対アメリカ、対闇組織という構図を下絵に、現在の政界ともリンクしてるし、社会学、政治学的にも興味深いと思います。まあでもコミック自体は読みやすさ重視で、通勤時でもよし、便所の中でもよしという内容でした。
▲本館・枝枝新報▲

dab9b298.JPG昨年12月2日に急逝されていたそうです。享年51歳。
先日池袋のマンガ専門店で偶然知り大変驚きました。
この人はマンガ界ではどういうポジションにいたのだろう。
古くは初期モーニングで連載された『ブリキ細工のトタン屋根』(画像下)や『メフィスト』など、職人技ともいえる画力で、当時非常に好きだったマンガ家のひとりでした。ここ10年はほとんどごぶさた(というかマンガ自体読むのが減っている)してたけれど。
昔、新卒入社した印刷会社で大手出版社のコミック単行本を担当したのですが、その頃連載していた『ゴドー』の生原稿を見ることができて、かなり感激したのを覚えてます。
熱心なファンの間ではここ数年にも力作があったようですね。ひさびさに読んでみようか。
遅まきながら氏のご冥福をお祈りいたします。
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▲本館・枝枝新報▲

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