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タグ:三曲合奏図

台風接近の荒れ模様にもかかわらず、午前中から上野の森美術館へ。
普段の休日は激混みらしいんで、こんな天候ならと思って現地に着くと予想以上の盛況でした。さすが世界の北斎。でもまあ何とか良いペースで鑑賞できました。

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とにかく見所満載も満載でしたが、個人的には『諸国瀧廻り』『百人一首うはがゑとき』のシリーズが大変気に入りました。最後のブースにあった「人物絵手本」(画像下)も何げに素晴らしくてですね、浮世絵作品とは異なり、生々しい筆使いが強烈で何度もガン見(苦笑)。これはもう実物を観ないとわからないでしょう。

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そして、一部で大きな話題になってます葛飾応為『三曲合奏図』にももちろん感動。
北斎の助手で知られている実娘の作品です。

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今年は彼女の肉筆画を3点観ることができましたが、個人的にはこの作品が一番印象的でした。今年来年にかけて応為関連の話題が色々あるなか、最注目のひとつと言える本作。興味をもたれた方は、検索してぜひ作品解説にも触れていただきたいです。

今回も一眼鏡大活躍で鑑賞。老眼がさらに悪化して緻密なのはどうもシンドイ。でも世に名作と言われている多くは北斎が60代以降。あの時代によくそれだけの視力を維持できたものです(苦笑)。

→上野の森美術館「ボストン美術館 浮世絵名品展 北斎」公式サイト

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『北斎と応為』の著者キャサリン・ゴヴィエ氏と浅田次郎の対談を観にカナダ大使館へ行ってきました(画像下、リンクは下記)。こういうイベント自体、行く機会は滅多にないので非常に有意義でしたね。
応為については昨年も話題にしましたが、日本でも言及が難しい謎の女絵師を主人公にする外国人作家ってどんな方だろうと興味津々でした。貿易商だった祖父が日本から浮世絵をよく入手していたそうで、子供時代から日本文化に馴染みがあったそうです。


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いわゆるゴーストでもあり共同作業者でもある応為は、当時どういうスタンスでいたのか。世界的にもイマジネーションをかき立てられる存在のようです。
「彼女に対する視線がやはり日本人とは異なっていて新鮮」と浅田氏。対談中フェミニズムに話が及ぶとゴヴィエ氏は「そうとも言えますが、私は一人の人間として」を強調していました。ともかく彼女の主体性がどう描写されてるか読むのが楽しみです。この日早速Amazonから上下セットで到着しました。感想はいずれまた。

ボストン北斎展の『三曲合奏図』展示や『百日紅』のアニメ化など、今年に入って彼女に関する情報をちらほらと入手しており、今後ちょっとした応為ブームが始まるかも知れませんね。
この本もベテランの愛好家・専門家には注目作なのではないかと。


→「『北斎と応為』:著者キャサリン・ゴヴィエと浅田次郎の対談」

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